健康は日常である──予防医学への転換
フリーランスのトレーナーとして活動していた頃、僕のもとには毎月新しいクライアントが訪れた。累計1,500名以上。その数字だけを見れば順調に映るかもしれない。でも、僕がずっと引っかかっていたのは、彼らの多くが「壊れてから来る」という事実だった。
腰を痛めた。健康診断で数値が引っかかった。医者に運動しろと言われた──。きっかけはいつも「問題が起きた後」だった。もちろん、そこから立て直すことに意味がないとは言わない。でも、僕はいつも思っていた。なぜもっと早く来なかったんだろう、と。それは個人の怠慢ではない。「健康は壊れてから直すもの」という社会全体の前提が、そうさせているのだと気づいたのは、数百人を指導した後のことだった。
治すから、防ぐへ
日本の医療は世界的に見ても水準が高い。国民皆保険制度があり、どこに住んでいても一定の医療にアクセスできる。でもそのシステムの根幹にあるのは「病気になったら治す」という思想だ。予防に対するインセンティブ設計は圧倒的に弱い。健康診断で異常が見つかったら病院へ行く。でも、異常が見つかる前に何をするかについて、社会は驚くほど無関心だ。
僕が大学時代にボディメイクを始めたのは、正直に言えば見た目を変えたかったからだ。でも身体が変わると、睡眠の質が変わり、集中力が変わり、メンタルが安定した。トレーニングは「見た目を作る行為」ではなく、「生活の土台を整える行為」だった。その実感が、1,500名の指導を通じて確信に変わった。運動は治療ではなく、日常そのものだ。
なぜReFitとHORIZONを始めたのか
2026年3月、僕は株式会社ReFitを設立した。21歳だった。周囲には「なぜ今?」と聞かれた。答えはシンプルで、待てなかったからだ。
フリーランス時代に痛感したのは、健康に関する情報の非対称性だった。SNSにはエビデンスのないダイエット法が溢れ、本当に価値のある科学的知見は論文の中に埋もれている。正しい情報を持っている人と持っていない人で、健康の格差が広がっていく。その構造を変えたいと思った。
ReFitの事業の一つであるExecutive Ashiya──完全紹介制のウェルネスサービス──は、一時的なトレーニングプログラムではなく、個人の生活リズムに溶け込む健康習慣の設計を目指している。そしてHORIZONは、エビデンスに基づく健康情報を、専門家だけでなくすべての人に届けるためのメディアとして立ち上げた。
健康が、ライフスタイルになる社会へ
僕が目指しているのは、「健康のために何かをする」という発想自体がなくなる社会だ。歯を磨くように、靴を履くように、健康的な選択が生活のデフォルトになっている状態。それは個人の意志の問題ではなく、環境設計の問題だと僕は考えている。
正しい情報があり、アクセスしやすいサービスがあり、続けられる仕組みがある。その三つが揃ったとき、健康は「努力」から「ライフスタイル」に変わる。ReFitが掲げる「すべての人に、最適な健康体験を届ける」というミッションは、その転換点を作ることにほかならない。
HORIZONが目指すもの
このメディアで僕たちがやりたいのは、最先端の科学と日常生活の間に橋を架けることだ。セノリティクス研究も、腸内細菌叢の科学も、睡眠負債のエビデンスも──どれだけ画期的な発見であっても、それが一人ひとりの生活に届かなければ意味がない。
HORIZONは、その「届ける」を担うメディアでありたい。論文を読み解き、噛み砕き、あなたの明日の選択に繋げる。派手な健康法の宣伝ではなく、地道なエビデンスの翻訳を。それが、僕たちの仕事だと思っている。
健康は、日常である。その当たり前を、当たり前にする。そこから始めたい。
FROM REFIT INC.
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